タクシードライバーは、隔日勤務の方ですと、1回の勤務の拘束時間は、約20時間にもおよびます。タクシー未経験の方は、具体的にどのような1日を過ごしているのか、気になる事でしょう。最近では、フレックスタイム制を導入している会社も多いので、ここでは、8:00出社の東京都内の大手タクシーグループのドライバーの1日を例として、タクシードライバーの1日の流れを追ってみたいと思います。
まず出社に関しては、特に服装の規定が無いので普段着であってもスーツであっても自由です。ただし、清潔感が大切な仕事なので、髪の乱れを整えておくことや髭はきれいに剃っておきましょう。また、意外にお客様から手を見られていることも少なくありませんので、爪を清潔に切っておくことも社会人として最低限のマナーになります。これらの基本的なことは出社前に済ませておきましょう。出社したら、まず制服に着替えます。きちんとシワの無い白無地ワイシャツと制服を着用し、点呼に備えます。黒の革靴、革ベルトが基本です。
【アルコールチェック】
制服に着替え終わりましたら、まずは、アルコール検査です。ここから一日がスタートです。アルコールの反応が少しでも出た場合は、その日一日仕事をすることはできません。タクシードライバーの給料は歩合制なので、一日仕事が出来ないだけでもかなり給料に響きますので前日の飲酒は控えましょう。会社によってはペナルティを課せられる場合もあります。
【車両点検】
安全運行のため、出発前には必ず点検をします。車両トラブル等発生し運行や予約時間に遅れなどが生じた場合は、時間に追われているお客様より苦情に発展する場合もありますので念入りにチェックをします。
また、お客様に気持ちよくお乗りいただくため、車内の清掃も欠かせません。
特に、チェックする点としましては、
・キレイに磨かれた車体
・タイヤの艶、ホイールの汚れが無いか
・行灯の汚れが無いか
・窓ガラスの水垢チェック(キレイに磨かれているか)
・フロアマットのチェック
・特に後部座席のシートやシートカバーの汚れの有無
・トランク室内の整理整頓(トランク室はお客さまのスペースです)
・車内の臭い
などです。
【点呼】
「おはようございます!」「ありがとうございました!」などの挨拶訓練を行い、運行管理者より、その日の注意事項や業務報告も受けます。点呼が終わると出庫となり、その日の乗務がスタートします。
【営業スタート】8:00~13:00
時間帯や天候によって、どこで営業するか自分で決めます。
朝の時間帯は出勤するビジネスマンの方が多いので、ビジネス街が集中する都心を目指しましょう!また、専用タクシー乗り場からは、通勤手段として、タクシーを利用されるビジネスマンの方が多いので、有効的に活用します。
【昼食】13:00~14:00
必ず、駐車場のあるファミリーレストランや施設を利用してください。
タクシーは、とても目立つので、路上駐車は厳禁です。
また、1度の営業中において、昼食含め、休憩は3時間しっかり取りましょう。
【午後~深夜の営業】14:00~3:00
日中は、主に流し営業と無線営業(最近は、アプリ経由の配車も多くあります)をバランス良く組み合わせ、ムダの無い営業を心がけます。
また、忙しくなる夜の時間帯に備えて、15:00~18:00位の時間帯に仮眠や休憩を入れる事も大切です。
特に、深夜は法人接待の無線や終電を逃したお客さまがひっきりなしで、思う様に休憩を挟めません。
帰庫時間の1時間には回送メーターを入れ、時間厳守で営業所に戻ります。
【帰庫】3:30
その日の営業が終わり、営業所に戻ってからは、タクシーの点検と洗車(車内・車外)を行い、乗務日誌をつけて乗務は終了です。また、その日の売上金の納金を完了し終業報告を行います。
全ての作業を終えると、一日の業務が終了です。
隔日勤務の場合、業務を終えるとその日は明番でお休みです。
次の勤務に備えてしっかり休みましょう。
こうした流れが、一般的な隔日勤務のタクシードライバーの一日になります。これを会社のシフトに従い月に12回ほど乗務していきます。